CAREER / 職場選び
介護職は「人手不足」「求人が多い」と言われることが多い仕事です。
では、2026年現在の介護職の雇用情勢は、実際にどのような状況なのでしょうか。
厚生労働省の推計では、介護サービスの需要増加に対応するため、2026年度には約240万人の介護職員が必要とされています。
また、ハローワークの求人統計を見ると、施設介護や訪問介護では求人倍率が高く、求職者よりも求人の方が多い状況が続いています。
ただし、「求人が多いから転職しやすい」「どの職場を選んでも条件が良い」という意味ではありません。
職種や地域、勤務形態によって求人状況は異なり、給与や夜勤、休日、仕事内容なども職場ごとに差があります。
この記事では、2026年の介護職の雇用情勢を公的な統計から確認しながら、転職先を選ぶときに数字をどう見ればいいのかを整理します。
1. 2026年も介護職の人材需要は高い
介護職は、2026年も人材需要の高い仕事の一つです。
高齢化によって介護サービスを必要とする人が増える一方、介護現場では今後も多くの人材を確保していく必要があります。
厚生労働省が公表している第9期介護保険事業計画に基づく推計では、2022年度に約215万人だった介護職員に対して、2026年度には約240万人が必要とされています。
単純に人数を比べると、2022年度から約25万人多い介護職員を確保する必要がある計算です。
さらに2040年度には、必要な介護職員数は約272万人まで増えると推計されています。
こうした数字を見ると、介護職の人材確保は一時的な課題ではなく、今後も続いていく可能性が高いことが分かります。
ただし、人材需要が高いことと、自分に合う職場を見つけやすいことは同じではありません。
求人が多い状況だからこそ、給与や勤務時間、夜勤、人員体制、休日、仕事内容などを比較して、自分が続けやすい職場を選ぶことが大切です。
2026年の介護職の雇用情勢を見るポイント
・介護サービスの需要は今後も続くと考えられている
・2026年度には約240万人の介護職員が必要と推計されている
・2022年度と比べて約25万人多い人材が必要
・2040年度には約272万人が必要と推計されている
・人材需要が高くても、職場ごとの条件には差がある
・求人の多さだけで転職先を決めないことが大切
2. 2026年度に必要な介護職員は約240万人
厚生労働省が公表している「約240万人」は、2026年度に実際に働いている介護職員数ではなく、介護サービスの見込み量などをもとに推計された「必要な介護職員数」です。
第9期介護保険事業計画では、市町村が見込んだ介護サービス量などをもとに、都道府県が必要な介護職員数を推計し、それを全国で集計しています。
その結果、2026年度には約240万人の介護職員が必要とされています。
基準となっている2022年度の介護職員数は約215万人なので、約25万人の増加が必要という推計です。
ただし、この「約25万人」をそのまま「現在25万人不足している」と読むことはできません。
必要数は将来の介護サービス需要に対応するための推計であり、実際の人材不足の程度は地域や施設、職種などによって異なります。
転職を考えるときも、全国全体の数字だけを見るのではなく、自分が働きたい地域や施設でどのような求人が出ているのかを確認することが大切です。
「約240万人」を見るときの注意点
・2026年度に実際に働いている人数ではない
・介護サービスの見込み量などから推計した必要数
・2022年度の約215万人から約25万人増が必要とされている
・約25万人をそのまま現在の不足人数とは考えない
・人材需要は地域や施設、職種によって異なる
・転職では全国統計と実際の求人条件を分けて見る
3. 求人倍率は職種によって大きく違う
介護職の求人状況を見るときは、「介護職全体の求人倍率」だけで判断せず、職種ごとの差を見ることが大切です。
厚生労働省の職業情報提供サイトに掲載されている令和7年度の全国平均では、施設介護員の有効求人倍率は2.96倍でした。
一方、訪問介護員の有効求人倍率は28.37倍となっており、施設介護員と比べてもかなり高い水準です。
有効求人倍率は、求職者1人に対して何件程度の求人があるかを見る指標です。
そのため、数値が高いほど求人側の人材需要が強い傾向にあると考えられます。
ただし、求人倍率が高いからといって、すべての求人が自分に合うわけではありません。
訪問介護では、勤務時間や移動、資格要件、働き方などが施設介護とは異なります。
転職先を探すときは、「求人が多い職種だから」という理由だけで選ばず、自分が希望する仕事内容や勤務条件に合っているかを確認することが大切です。
求人倍率を見るときのポイント
・施設介護員の有効求人倍率は2.96倍
・訪問介護員の有効求人倍率は28.37倍
・同じ介護職でも職種によって求人状況は大きく異なる
・求人倍率が高いほど人材需要が強い傾向がある
・求人が多いことと、自分に合う求人が多いことは同じではない
・仕事内容や勤務条件まで確認して職種を選ぶ
4. 求人賃金は上がっているのか
介護職の求人賃金を見ると、ここ最近は前年より高い水準で推移しています。
厚生労働省の職業情報提供サイトによると、令和7年度の全国平均の求人賃金は、施設介護員が月22.5万円、訪問介護員が月24.5万円でした。
前年度との差は、施設介護員がプラス0.7万円、訪問介護員がプラス0.8万円です。
さらに2026年6月の月別データでは、施設介護員が月23.2万円、訪問介護員が月25.0万円となっており、それぞれ前年同月を上回っています。
こうした数字からは、介護職の求人で提示される賃金が少しずつ上がっている傾向を確認できます。
ただし、ここでいう「求人賃金」は、ハローワークに出ている求人で提示されている月額賃金です。
実際に働いたときの手取り額や年収、夜勤手当、資格手当、賞与などをすべて含んだ金額とは限りません。
また、同じ介護職でも施設介護と訪問介護では仕事内容や勤務形態が異なるため、賃金の数字だけを単純に比較することもできません。
転職先を選ぶときは、月給の金額だけではなく、基本給、各種手当、夜勤回数、賞与、勤務時間なども一緒に確認することが大切です。
求人賃金を見るときのポイント
・令和7年度の施設介護員の求人賃金は月22.5万円
・訪問介護員は月24.5万円
・どちらも前年度平均を上回っている
・2026年6月も前年同月より高い水準
・求人賃金は実際の手取り額や年収とは異なる
・基本給と手当の内訳まで確認する
・職種や働き方が違う求人を月給だけで比較しない
出典:厚生労働省「職業情報提供サイト job tag」施設介護員・訪問介護員/ホームヘルパー
5. 求人が多い=条件の良い職場が多い、ではない
介護職は求人倍率が高く、求人そのものは見つけやすい傾向があります。
ただし、「求人が多い=条件の良い職場が多い」という意味ではありません。
同じ介護職の求人でも、基本給、夜勤回数、休日、人員体制、仕事内容、教育体制などは職場ごとに大きく異なります。
人手不足の職場では採用を急いでいる場合もありますが、応募する側から見ると、なぜ募集しているのか、長く働ける環境なのかを確認することが大切です。
求人件数が多いと、つい月給や通勤距離だけで比較してしまいがちです。
しかし、入職後のミスマッチを減らすためには、求人票だけでなく、見学や面接を通じて実際の働き方まで確認しておく必要があります。
雇用情勢が良い時期ほど、「選べる求人が多い」ことを活かして、条件を急いで決めずに比較することが大切です。
求人が多いときこそ確認したいこと
・なぜその職場が募集しているのか
・基本給と各種手当の内訳
・夜勤回数と勤務時間
・休日や希望休の取りやすさ
・人員体制に無理がないか
・教育やフォロー体制があるか
・長く働き続けられそうな職場か
求人票を見るときのチェックポイントはこちらで詳しく整理しています。
応募前に実際の職場を確認したい方はこちら。
6. 雇用情勢が良いときこそ確認したい転職条件
介護職の求人が多い状況では、「応募できる求人があるか」よりも、「どの条件を選ぶか」が重要になります。
求人が少ないときは選択肢そのものが限られますが、人材需要が高いときは複数の求人を比較しやすくなります。
そのため、転職を考える前に、自分が次の職場で変えたい条件を整理しておきましょう。
たとえば、給与を上げたいのか、夜勤回数を減らしたいのか、休日を増やしたいのか、人員体制に余裕のある職場を選びたいのかによって、優先して見る項目は変わります。
すべての条件が理想どおりになる求人を探すのは難しいため、「絶対に譲れない条件」と「できれば叶えたい条件」を分けておくと比較しやすくなります。
求人の多さを、転職を急ぐ理由ではなく、自分に合う条件を比較するための選択肢として活かすことが大切です。
転職前に整理しておきたい条件
・希望する基本給や月収
・夜勤の有無と希望する回数
・勤務時間やシフト
・年間休日や希望休
・通勤時間
・人員体制や業務量
・教育や資格取得支援
・仕事内容や将来のキャリア
転職先を探す前に、自分が大切にしたい条件を整理したい方はこちら。
7. 2026年に介護職が転職先を選ぶときの考え方
2026年の介護職は、人材需要が高く、複数の求人を比較しやすい状況にあります。
だからこそ、「求人があるから応募する」のではなく、自分がどのような働き方を続けたいのかを基準に職場を選ぶことが大切です。
給与を上げたい人と、夜勤を減らしたい人では、見るべき求人条件が違います。
資格や経験を活かして役割を広げたい人もいれば、仕事内容を大きく変えずに、休日や勤務時間を整えたい人もいます。
また、求人倍率や求人賃金などの数字は、転職市場全体の状況を知るためには役立ちますが、最終的に働くのは一つの職場です。
全国平均の数字だけで判断せず、実際の求人条件、見学で感じた職場の雰囲気、面接で確認した内容などを合わせて判断しましょう。
求人の選択肢が多い時期だからこそ、急いで決めるのではなく、自分が無理なく続けられる条件を比較しながら転職先を選ぶことが大切です。
2026年の転職先選びで意識したいこと
・求人の多さだけで職場を決めない
・自分が変えたい勤務条件を明確にする
・給与だけでなく勤務時間や休日も比較する
・資格や経験をどう活かしたいか考える
・求人票だけで判断せず見学や面接も活用する
・全国平均と実際の求人条件を分けて見る
・長く続けられる働き方を優先する
まとめ
2026年も介護職の人材需要は高く、今後さらに多くの介護職員が必要になると推計されています。
求人倍率を見ると、施設介護員や訪問介護員など、職種によって求人状況には大きな違いがあります。
求人賃金も前年より高い水準が見られますが、月給の数字だけで職場の良し悪しを判断することはできません。
基本給、各種手当、夜勤、休日、人員体制、仕事内容などを確認し、自分が何を変えたいのかを整理したうえで求人を比較することが大切です。
介護職は求人の選択肢が多いからこそ、「採用される職場を探す」だけでなく、「自分が続けやすい職場を選ぶ」という視点を持ちましょう。
雇用情勢の数字は転職を急ぐためではなく、選択肢を比較するときの判断材料として活用するのがおすすめです。
介護職の転職や職場選びについて、ほかの記事も確認したい方はこちらから。

